「ネットワークビジネスを辞めたい」
「20日を過ぎているけれど退会できる?」
「毎月の商品購入も自動的に止まる?」
「余っている商品は返品できる?」
MLM(ネットワークビジネス)を始めたものの、
・思ったより収入にならない
・毎月の商品代が負担
・活動する時間がない
・人間関係に疲れた
・商品を使わなくなった
・別のことに時間を使いたい
などの理由で、活動を辞めたいと考えることがあります。
このとき、
「一度入ったら辞められない」
と考える必要はありません。
一定の連鎖販売取引では、クーリング・オフ期間を過ぎた後も、一定の消費者は将来に向かって連鎖販売契約を中途解約できます。
また、一定条件を満たす商品については、退会とあわせて商品販売契約を解除し、返品・返金を受けられる制度もあります。
ただし、
退会
=定期購入停止
=商品すべて返金
とは限りません。
そこでこの記事では、
・退会と中途解約の違い
・クーリング・オフとの違い
・20日を過ぎた場合
・商品の返品条件
・オートシップの停止
・退会前に確認したい報酬・ポイント
・退会を引き止められた場合
・退会通知の残し方
まで詳しく解説します。
結論|MLMは20日を過ぎても辞められる場合がある
最初に大切なポイントです。
連鎖販売取引に該当する契約について、一定の消費者(無店舗個人)は、
クーリング・オフ期間を過ぎた後も、将来に向かって連鎖販売契約を解除できます。
消費者庁の法令解説では、仮に契約期間が5年など長期間に設定されていても、加入者が自由に組織から退会できる制度として説明されています。
また、中途解約は理由を問わず、一方的な意思表示によって効力を生じる法定解除権として説明されています。
つまり、
「会社が退会を認めてくれない」
「紹介者の許可が必要」
「契約期間が残っているから辞められない」
という説明だけで、諦める必要はありません。
まず知っておきたい「退会・中途解約・クーリング・オフ」の違い
似た言葉ですが、意味は少し違います。
① 退会
会社や販売組織の会員・販売員を辞める手続きとして使われる一般的な表現です。
会社独自の、
・退会フォーム
・退会届
・Web手続き
などを利用する場合があります。
② 中途解約
クーリング・オフ期間経過後に、連鎖販売契約を将来に向かって解除する制度です。
一定の連鎖販売加入者について法律上認められています。
③ クーリング・オフ
原則として法定書面を受領した日などから20日以内に、理由を問わず契約を解除できる制度です。

簡単に整理すると
契約直後・20日以内
→クーリング・オフを確認
20日経過後
→中途解約を確認
という流れです。
ただし、適法な書面が交付されていない場合やクーリング・オフを妨害された場合などは、20日経過後でもクーリング・オフできる可能性があります。
詳しくは、
「MLMのクーリング・オフとは?」
の記事で解説しています。
【関連記事】
→ /mlm-cooling-off/
「辞めたい理由」は必要?
一定の連鎖販売取引の中途解約については、
「なぜ辞めるのか」
を会社に納得してもらうことが法律上の条件ではありません。
消費者庁の法令解説でも、中途解約は理由のいかんを問わないとされています。
例えば、
・忙しくなった
・商品を使わなくなった
・収入にならなかった
・人間関係に疲れた
・なんとなく続けたくない
など、理由にかかわらず中途解約を検討できます。
紹介者の許可は必要?
原則として、
紹介者が承認しないと退会できない制度ではありません。
退会するかどうかは本人の判断です。
例えば紹介者から、
「あと3か月頑張ろう」
「今辞めるのはもったいない」
「チームに迷惑がかかる」
と言われることがあるかもしれません。
アドバイスを聞くこと自体は問題ありませんが、
最終的な判断は本人が行います。
会社へ直接退会意思を伝える
退会すると決めた場合は、
紹介者だけに、
「辞めます」
と伝えて終わりにするのではなく、
契約先・会社の正式窓口へ通知する
ことをおすすめします。
例えば、
・カスタマーサポート
・退会専用フォーム
・登録会員ページ
・メール
・書面
などです。
中途解約は書面でないと無効?
法律上、中途解約の意思表示を書面ですることが明文で必須とされているわけではありません。
ただし消費者庁は、後日のトラブル防止のため、
書面または電磁的記録など、証拠が残る方法
で行うことが望ましいと説明しています。
そのため、
「電話で辞めますと伝えた」
だけで終わらせるより、
メール等でも通知しておく方が後で確認しやすくなります。
退会通知に入れておきたい内容
例えば、
・会員番号
・氏名
・住所
・登録メールアドレス
・退会する意思
・連鎖販売契約を中途解約する意思
・退会希望日
・オートシップ停止の意思
などです。
会社によって指定のフォームや必要事項がある場合には、そのルールも確認してください。
退会通知の簡単な記載例
【退会・契約解除通知】
株式会社○○ 御中
私は、貴社との連鎖販売契約について、退会し、中途解約する意思を通知します。
会員番号:○○○○
氏名:○○○○
退会希望日:○年○月○日
また、登録している定期購入・オートシップについても停止を希望します。
手続き完了後、書面またはメールでのご連絡をお願いします。
○年○月○日
氏名:○○○○
退会とオートシップ停止は別に確認する
ここは非常に重要です。
MLM会社では、
販売員登録
と、
毎月の商品定期購入
が別の契約・設定になっている場合があります。
そのため、
「退会したから自動的にすべての注文が止まる」
とは限りません。
退会前に確認したい定期支払い
例えば、
・オートシップ
・定期商品購入
・月会費
・システム利用料
・Webサイト利用料
・研修サービス
・有料ツール
などです。
退会手続きをしたら、
翌月以降に何が請求される可能性があるのか
まで確認しましょう。
クレジットカード明細も確認する
退会後1~2か月は、
・商品代
・会費
・システム料
などが請求されていないか、カード明細や口座履歴を確認すると安心です。
請求が続いている場合は、まず会社へ確認してください。
オートシップの締切日に注意
例えば、
毎月10日に自動注文
という会社で、
9日に停止申請した場合は止まるが、
11日に手続きすると翌月から停止
ということも考えられます。
停止締切日は会社によって異なるため、
次回注文日・次回決済日
を確認しておきましょう。
余っている商品は返品できる?
退会時に、
「家に未使用の商品が大量に残っている」
というケースがあります。
一定の条件を満たせば、連鎖販売契約の中途解約とともに、商品販売契約を解除できる場合があります。
消費者庁は、一定の条件を満たす場合には商品を返品し、購入価格の90%相当額の返金を受けられる制度を案内しています。
商品返品の主な条件
主な条件は次のとおりです。
① 入会後1年以内
連鎖販売契約を締結し、販売組織に入会してから1年を経過していないこと。
② 商品を受け取って90日以内
対象商品を受領してから90日を経過していないこと。
③ 再販売していない
すでに他人へ販売した商品ではないこと。
④ 原則として使用・消費していない
基本的に未使用・未消費であること。
ただし、販売者側が使用・消費させた場合などには例外があります。
⑤ 自分の責任で紛失・破損していない
自分の責任によって商品を滅失・毀損していないこと。
これらの条件を満たす商品について、商品販売契約の解除を検討できます。

「90日」はいつから?
商品については、
商品の引渡しを受けた日から90日
が重要です。
例えば、
1月1日に受け取った商品
と、
3月1日に受け取った商品
があれば、それぞれ別に受領日を確認します。
古い商品と新しい商品が混在している場合、
一部だけ制度の対象になることも考えられます。
全部の商品を一括で判断しない
例えば、
商品A
受領から120日
商品B
受領から60日
だった場合、
商品Aが条件外だからといって、
商品Bまで自動的に返品できなくなるとは限りません。
商品ごとに、
・購入日
・受領日
・使用状況
を整理しましょう。
なぜ返金が100%ではなく90%になる場合がある?
クーリング・オフと中途解約後の商品返品は同じ制度ではありません。
クーリング・オフなら、原則として無条件解除です。
一方、中途解約後の商品販売契約解除では、法律上、一定の場合に事業者が請求できる損害賠償額に上限が設けられており、返品された場合などには商品販売価格の10%相当額が一つの上限として定められています。
そのため、消費者庁は一定の条件を満たす商品について、
購入価格の90%相当額の返金
を受けられる制度として案内しています。
商品を開封していたら返品できない?
基本的には使用・消費していないことが条件の一つです。
ただし、
箱を開けただけなのか
商品そのものを使用したのか
など、実際の状態によって判断が必要になる場合があります。
自己判断せず、
・商品
・箱
・注文履歴
・領収書
を残したまま会社や消費生活センターへ確認するのがおすすめです。
退会前にポイント・報酬も確認する
MLM会社によっては、
・未払報酬
・キャリーオーバーPV
・ポイント
・クレジット
・商品交換ポイント
などが残っている場合があります。
退会すると、
これらが、
・支払われる
・失効する
・一定期間だけ利用できる
など、会社によって扱いが異なります。
退会前に確認したい質問
例えば、
「現在確定している未払報酬はいくらですか?」
「退会すると残っているPVはどうなりますか?」
「商品購入に使えるポイントは退会後も使えますか?」
などです。
退会申請をする前に公式規約で確認
しておくとよいでしょう。
ダウンラインはどうなる?
ビジネス活動をしていた人は、
自分が紹介した人・組織
の扱いも気になるでしょう。
退会した場合、
・アップラインへ圧縮される
・スポンサー変更される
・ポジションが消滅する
・一定期間保留される
など、会社の報酬プラン・規約によって異なります。
法律上の一般論ではなく、
その会社のマーケティングプラン・規約を確認
する必要があります。
退会すると再登録できないこともある
会社によっては、
退会後、
6か月
12か月
など一定期間、再登録できないルールを設定している場合があります。
さらに、
同じスポンサーでは再登録不可
などのルールがあるケースもあります。
「とりあえず一度辞めて、すぐ別の系列で登録し直そう」
と考えている場合は、退会前に確認してください。
退会前に保存しておきたいもの
退会手続きをする前に、
・概要書面
・契約書面
・利用規約
・報酬プラン
・商品注文履歴
・商品受領日
・支払明細
・クレジットカード明細
・報酬明細
・ポイント残高
・退会申請画面
・会社とのメール
などを保存しておくことをおすすめします。
会員サイトにログインできなくなる可能性
退会手続き完了後、
すぐに会員サイトへアクセスできなくなる会社もあります。
そのため、
必要な履歴は退会前に保存
しておきましょう。
紹介者とのLINEも残しておく
例えば、
・毎月の費用についての説明
・返品についての説明
・報酬についての説明
・退会を申し出た日時
などが残っている場合があります。
トラブルがある場合は削除しない方がよいでしょう。
「退会させない」と言われたら?
例えば、
「ランクがあるから今月は辞められない」
「チームの許可が必要」
「紹介者の承認が必要」
「契約期間5年なので途中では辞められない」
と言われるケースです。
一定の連鎖販売加入者について、消費者庁は、クーリング・オフ期間経過後も連鎖販売契約の期間内であれば将来に向かって解除できる制度を説明しており、長期契約であっても自由な退会を認める趣旨としています。
会社とのやり取りだけで解決しない場合には、
消費者ホットライン188
から最寄りの消費生活センター等へ相談できます。
解約・返金の相談は実際に多い
国民生活センターによると、マルチ取引の相談では、
解約・返金に関する相談が多い
とされています。
2025年度には4,003件の相談が登録されています。
そのため、
「自分だけが辞めにくいと感じている」
と考える必要はありません。
契約条件に疑問がある場合は、公的な相談窓口を利用する方法があります。
引き止められたときに考えたいこと
退会を申し出ると、
「今辞めるのはもったいない」
と言われることがあります。
このときは、
感情
ではなく、
数字
で考えてみましょう。
例えば
毎月の商品購入
15,000円
システム費
3,000円
活動費
7,000円
合計
25,000円
一方、
平均報酬
5,000円
なら、
毎月の簡易収支は、
5,000円-25,000円
=▲20,000円
です。
この状態を1年間続けると、
▲240,000円
となります。
「いつか稼げるかもしれない」
だけではなく、
現在いくら使い、いくら戻ってきているのか
を確認しましょう。
サンクコストに注意する
例えば、
「ここまで50万円使ったから、辞めたら損」
と考えることがあります。
しかし、すでに使ったお金だけを理由に、
今後も採算の合わない支出を続ける
と、損失がさらに増える可能性があります。
判断するときは、
これから続けた場合に必要な費用と期待できる利益
を考えることが重要です。
退会前に確認したい10項目
退会を決める前後で、次の10項目を確認してみましょう。
- クーリング・オフ期間内ではないか
- 正式な退会・中途解約方法は何か
- 次回オートシップ日はいつか
- 定期購入は別途停止が必要か
- 未使用商品の返品対象はあるか
- 商品受領から90日以内か
- 入会から1年以内か
- 未払報酬・ポイントは残っているか
- 退会後の再登録条件はどうなるか
- 契約・支払・退会記録を保存したか
退会手続きの基本的な流れ
STEP1 契約書類を確認
概要書面、契約書面、利用規約を確認します。
STEP2 クーリング・オフ対象か確認
20日以内など条件を満たす場合は、通常退会よりクーリング・オフを検討します。
STEP3 定期購入を確認
次回決済日・商品発送日を確認します。
STEP4 商品在庫を確認
未使用商品の、
・購入日
・受領日
・状態
を確認します。
STEP5 報酬・ポイントを確認
退会後の扱いを確認します。
STEP6 会社へ正式に通知
証拠が残る方法で退会・中途解約の意思を伝えます。
STEP7 オートシップ等を停止
別途停止が必要な場合は手続きします。
STEP8 手続き完了を保存
完了メール・受付番号・画面を保存します。
STEP9 翌月以降の請求を確認
カード・銀行口座を確認します。

退会後に請求が続いたら?
まず、
・いつ退会を申請したか
・いつ定期購入停止を申請したか
・会社からの受付メール
・次回決済日
を確認します。
そのうえで会社へ問い合わせます。
解決しない場合は、保存している資料を持って消費生活センターへ相談するとよいでしょう。
退会すると紹介者との関係が悪くなりそうで不安
ネットワークビジネスでは、友人・知人から紹介されているケースも少なくありません。
そのため、
「辞める=紹介者を裏切る」
と感じることがあります。
しかし、
商品・サービスを継続するか、ビジネス活動を継続するかは本人が判断すること
です。
人間関係と契約は分けて考えることも大切です。
伝え方はシンプルでよい
例えば、
「いろいろ考えましたが、今後は活動を続けないことに決めました。会社にも正式に退会手続きをします。これまでありがとうございました。」
程度でも意思は伝わります。
長い理由説明や説得への対応を続ける必要はありません。
よくある質問
Q.MLMはいつでも退会できますか?
一定の連鎖販売契約を締結した無店舗個人については、クーリング・オフ期間経過後も、将来に向かって中途解約できる制度があります。
会社独自の退会手続きも確認してください。
Q.20日を過ぎたら辞められませんか?
いいえ。
クーリング・オフとは別に、中途解約制度があります。
また、書面不備やクーリング・オフ妨害がある場合には、クーリング・オフできる可能性もあります。
Q.退会すると商品は全部返品できますか?
必ずしもすべてではありません。
一定の商品返品制度では、入会後1年以内、商品受領から90日以内、未使用などの条件があります。
Q.返品したら全額返金されますか?
中途解約後の一定の商品返品では、消費者庁は購入価格の90%相当額の返金を受けられる制度として案内しています。
クーリング・オフとは扱いが異なります。
Q.退会するとオートシップも自動で止まりますか?
会社によって異なります。
退会手続きとは別に、定期購入・オートシップ停止が必要なケースを想定し、必ず確認してください。
Q.紹介者が退会を認めてくれません
紹介者の許可だけで法的な中途解約の可否が決まるものではありません。
会社の正式窓口へ意思を伝えてください。
Q.電話だけで退会できますか?
会社の手続きによっては可能な場合もありますが、後日のトラブルを避けるため、メールや書面など証拠が残る方法でも意思を残すことをおすすめします。
Q.退会後も請求されています
退会と定期購入停止が別手続きになっていないか確認し、会社へ問い合わせてください。
解決しない場合は消費者ホットライン188等への相談を検討してください。
まとめ|「辞める」だけでなく「お金・商品・定期購入」まで確認する
ネットワークビジネスを辞めたい場合、
単に、
「紹介者へ退会すると伝える」
だけで終わらせるのではなく、
① 契約
② 商品
③ 定期購入
④ 報酬・ポイント
⑤ 今後の請求
まで確認することが重要です。
一定の連鎖販売取引では、
クーリング・オフ期間経過後も、中途解約によって将来に向かって契約を解除できます。
さらに一定の商品について、
・入会後1年以内
・商品受領から90日以内
・再販売していない
・原則未使用・未消費
・自己責任で破損等していない
などの条件を満たせば、商品販売契約を解除し、返品できる場合があります。
退会するときは、
退会
→オートシップ停止
→商品返品確認
→報酬・ポイント確認
→翌月の請求確認
という順番で整理すると分かりやすくなります。
そして、
「辞めさせてもらえない」
「返金について会社と話が合わない」
「手続き後も請求が続いている」
などの問題がある場合は、契約書類やメール・支払記録を保存したうえで、消費者ホットライン「188」から消費生活センター等へ相談できます。
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※本記事は2026年10月時点の公表情報をもとに、ネットワークビジネス・連鎖販売取引の退会・中途解約について一般的な情報を提供するものです。契約形態、商品、会社規約等によって扱いが異なる場合があります。個別の契約トラブルについては消費生活センターや弁護士等へご相談ください。
【主な参考情報】
・消費者庁「特定商取引法ガイド|連鎖販売取引」
・消費者庁「特定商取引に関する法律等の施行について|連鎖販売取引」
・国民生活センター「マルチ取引」
・消費者庁「消費者ホットライン188」

