「ネットワークビジネスって、結局ねずみ講ではないの?」
「人を紹介して報酬が発生するなら同じでは?」
「商品があれば合法と聞いたけれど、本当?」
ネットワークビジネス(MLM)について調べていると、このような疑問を持つ方は少なくありません。
ネットワークビジネスといわゆる「ねずみ講」は、人の紹介によって組織が広がっていくため、外から見ると似ている部分があります。
しかし、法律上は同じものとして扱われているわけではありません。
一般にネットワークビジネスのうち一定の条件に該当する取引は、特定商取引法の「連鎖販売取引」として規制されています。
一方、いわゆる「ねずみ講」は法律上「無限連鎖講」と呼ばれ、その開設・運営・勧誘などは禁止されています。
ただし、ここで注意したいのが、
「商品が存在すれば必ず合法なMLMになる」わけではない
ということです。
この記事では、ネットワークビジネスとねずみ講の違いについて、仕組み・お金の流れ・法律という3つの視点から初心者向けにわかりやすく解説します。
まず結論|ネットワークビジネスとねずみ講は同じではない
最初に大きな違いを整理すると、次のようになります。
ネットワークビジネス(MLM)
商品・権利・サービスなどの販売や提供を行い、紹介などによって販売組織を拡大していく仕組みです。
一定の条件に該当すると、特定商取引法の「連鎖販売取引」として規制の対象になります。
ねずみ講
後から参加した人が支払った金品を、先に参加した人へ順番に配当することを中心とした仕組みです。
法律上は「無限連鎖講」と呼ばれ、禁止されています。
非常に簡単に整理すると、
MLM:商品・サービスなどを扱う事業
ねずみ講:参加者から集めた金品を参加者へ配当していく仕組み
という違いがあります。
ただし、実際の判断はこれだけではできません。
表面的に商品やサービスが存在していても、その取引に実態がなく、実質的に新規参加者から集めたお金を上位参加者へ配当するだけの仕組みであれば問題になる可能性があります。

そもそもネットワークビジネス(MLM)とは?
MLMとは「Multi-Level Marketing(マルチレベルマーケティング)」の略称です。
商品やサービスを利用・販売する人が新しい利用者や販売員を紹介し、さらにその人が別の人を紹介することで販売組織が広がっていきます。
例えば、
Aさん
↓
Bさん・Cさんを紹介
↓
BさんがDさんを紹介
↓
DさんがEさんを紹介
という形です。
会社が定める報酬プランによっては、
・商品の販売実績
・本人の購入実績
・直接紹介した会員の実績
・グループ全体の売上
・PVやBVなどのポイント
・ランク
などをもとに報酬が計算されます。
ネットワークビジネスの基本的な仕組みについては、関連記事「ネットワークビジネス(MLM)とは?仕組みを初心者向けにわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。
【内部リンク】
/network-business-guide/
ねずみ講とは?
一般に「ねずみ講」と呼ばれている仕組みは、法律上では「無限連鎖講」と呼ばれます。
典型的には、
「参加費として10万円を支払ってください」
「新しく2人紹介すれば、その人たちが払ったお金の一部があなたに入ります」
「その2人がさらに参加者を増やせば、さらに収入が増えます」
といった形で参加者を増やします。
新しく参加する人が支払ったお金を、先に参加している人へ配当する構造になっているのが大きな特徴です。
なぜ「無限連鎖講」と呼ばれるの?
例えば、1人が2人を紹介し、それぞれがさらに2人ずつ紹介するとします。
1段目 1人
2段目 2人
3段目 4人
4段目 8人
5段目 16人
6段目 32人
7段目 64人
8段目 128人
9段目 256人
10段目 512人
というように参加者が増えていきます。
20段ほど進めば、理論上は100万人を超える規模になります。
つまり、参加者を増やし続けることで成立する仕組みには物理的な限界があります。
新しい参加者が集まらなくなれば、新規参加者からのお金で上位者へ配当することができなくなります。
そのため、無限に続けることはできません。
ネットワークビジネスとねずみ講の最大の違い
違いを理解するためには、「どこからお金が生まれているのか」を見ることが重要です。
ネットワークビジネス
基本的には、
商品・サービス
↓
購入・販売
↓
売上
↓
会社の報酬プランに基づく報酬
という商取引があります。
ねずみ講
典型的には、
新規参加者
↓
参加金などを支払う
↓
先に参加している人へ配当
というお金の流れになります。
つまり、
商品・サービス等の販売という経済活動による収益なのか
それとも、
新しく参加した人が払った金品そのものを分配しているのか
という点が重要になります。
比較表|MLMとねずみ講の違い
| 比較項目 | ネットワークビジネス(MLM) | ねずみ講 |
|---|---|---|
| 法律上の代表的な位置づけ | 一定の要件を満たす場合は連鎖販売取引 | 無限連鎖講 |
| 商品・サービス | 商品・権利・役務などの取引がある | 金品配当を中心とする |
| 主なお金の流れ | 商品・サービス等の販売・購入など | 後から参加した人の支出 |
| 組織 | 紹介により販売組織が広がる | 紹介により参加者が広がる |
| 規制 | 特定商取引法など | 無限連鎖講防止法により禁止 |
| 勧誘 | 法律上のルールを守る必要がある | 開設・運営・勧誘等が禁止されている |
| 必ず合法? | いいえ。内容・運営・勧誘方法等による | 禁止されている |
「商品があればねずみ講ではない」は正しい?
これは特に注意したいポイントです。
ネットワークビジネスの説明で、
「商品があるからねずみ講ではありません」
と言われるケースがあります。
確かに、ねずみ講と連鎖販売取引を区別する重要なポイントの一つに、実際の商品・サービスなどの経済活動があります。
しかし、
商品が存在しているだけで、自動的に合法になるわけではありません。
例えば、
・ほとんど価値のない商品を高額で購入させる
・商品の販売より会員加入そのものが収益の中心
・新規会員が支払ったお金が上位会員へ流れることが実質的な目的
・商品販売の実態がほとんど存在しない
・形式だけの商品・サービスを用意している
といったケースでは、単純に「商品があるから問題ない」と判断することはできません。
重要なのは、
商品が存在するかではなく、実際にどのような経済活動が行われ、どのようなお金の流れになっているのか
を見ることです。
ネットワークビジネスなら何をしても合法というわけではない
ネットワークビジネス自体を一律に違法とすることは正確ではありません。
しかし、連鎖販売取引には特定商取引法による厳しいルールがあります。
例えば、勧誘に先立って、
・事業者や勧誘者等の氏名・名称
・特定負担を伴う契約について勧誘する目的であること
・商品やサービスの種類
などを伝える必要があります。
また、契約をさせるために、
・事実と違う説明をする
・重要な事実を意図的に伝えない
・相手を威迫して困惑させる
・勧誘目的を隠して特定の場所へ呼び出す
といった行為も法律上問題になります。
したがって、
「MLMだから合法」
という考え方も正確ではありません。
仕組みだけではなく、実際の契約内容や勧誘方法まで確認する必要があります。
注意したい勧誘の例
ネットワークビジネスを検討する場合、次のような説明を受けたときには内容を慎重に確認しましょう。
「絶対に儲かる」
ビジネスである以上、将来の収入を確実に保証できるものではありません。
報酬条件、実際の売上、商品購入費、活動経費なども確認する必要があります。
「2人紹介するだけでいい」
2人を紹介すれば報酬が得られるように見えても、その先にどのような条件が設定されているのか確認する必要があります。
例えば、
・毎月の商品購入
・一定PVの維持
・ランク条件
・左右グループの売上条件
などが設定されている場合があります。
「誰でも簡単に稼げる」
誰でも同じような収入を得られるとは限りません。
「最高月収」など一部の成功例だけではなく、必要な条件や経費も確認しましょう。
「商品があるから絶対に合法」
商品やサービスの存在だけで合法・違法を判断することはできません。
実際の取引内容とお金の流れを見る必要があります。
MLMかねずみ講か判断するときのチェックポイント
紹介されたビジネスの仕組みに疑問を感じた場合は、次の点を確認してみましょう。
1.実際の商品・サービスがあるか
まず、何を販売している事業なのか確認します。
ただし、商品があるだけで判断しないことが重要です。
2.商品に実際の購入需要があるか
報酬を得る目的とは関係なく、その商品・サービスを購入する消費者が存在するのかを確認します。
「ビジネス会員しか商品を買っていない」というケースでは、その理由も確認した方がよいでしょう。
3.報酬の原資は何か
非常に重要なポイントです。
報酬が、
・商品の販売
・サービス利用
・グループ売上
などをもとに計算されているのか、
それとも、
・入会金
・参加費
・高額な初期費用
など、新しい参加者が支払う金銭に大きく依存しているのか確認します。
4.人を紹介しなければ成立しない仕組みではないか
商品を販売しなくても、
「会員を紹介すれば○万円」
「2人連れてくれば元が取れる」
という説明ばかりが強調される場合は、お金の流れを詳しく確認しましょう。
5.継続して支払う費用はいくらか
登録料だけを見るのではなく、
・毎月の商品購入
・オートシップ
・会員費
・システム利用料
・更新料
・セミナー費用
なども確認します。
6.報酬条件を書面で確認できるか
口頭説明だけではなく、公式な報酬プランや契約書類を確認しましょう。
7.解約・返品条件が明確になっているか
契約を続けたくなくなった場合に、
・退会できるのか
・定期購入を停止できるのか
・返品できるのか
・どのような手続きが必要なのか
まで確認します。
「人を紹介すると報酬が出る=ねずみ講」ではない
これもよくある誤解です。
人を紹介したことに関連して報酬が発生する仕組みがあるからといって、それだけでねずみ講と判断できるわけではありません。
ネットワークビジネスでも、
・紹介した会員の商品購入実績
・グループ全体の販売実績
・一定のポイント
・ランク
などに応じて報酬が発生する制度があります。
見るべきポイントは、
「紹介したこと自体」ではなく、その報酬が何を原資として、どのような取引から生まれているのか
です。
反対に「商品を売っている=安全」とも限らない
ネットワークビジネスに限った話ではありませんが、商品やサービスが存在していても、その販売方法や契約内容に問題があればトラブルになる可能性があります。
例えば、
・収入について事実と異なる説明をする
・高額な在庫を持たせる
・借金をすすめて商品を購入させる
・勧誘目的を隠して呼び出す
・解約できないようにする
といった行為には注意が必要です。
「MLMか、ねずみ講か」という二択だけではなく、
取引そのものが適切なのか
という視点も持つことが重要です。
MLMとねずみ講を見分けるときに見るべき3つのポイント
初心者の方は、まず次の3点を確認するとわかりやすいでしょう。
① 何を販売しているのか
実際の商品・サービス・権利等を確認します。
② 誰がお金を払っているのか
一般消費者なのか、ビジネスに参加する会員が中心なのかを確認します。
③ なぜ報酬が発生するのか
商品販売による売上なのか、新しく加入した人の参加費等なのか、お金の流れを確認します。
この3つを確認するだけでも、仕組みを理解しやすくなります。
ネットワークビジネスを紹介されたら確認したい資料
参加を検討する前に、少なくとも次の資料を確認することをおすすめします。
・運営会社の会社概要
・商品・サービス一覧
・商品価格
・登録費用
・毎月必要な費用
・報酬プラン
・概要書面
・契約書面
・返品規定
・退会規定
・クーリング・オフに関する説明
「今決めれば得」
「詳しい資料は契約した後に見せる」
などと言われても、内容を十分理解できない状態で契約を急ぐ必要はありません。
よくある質問
Q.ネットワークビジネスはねずみ講ですか?
ネットワークビジネスとねずみ講は、法律上同じものではありません。
一定の要件を満たすネットワークビジネスは特定商取引法上の「連鎖販売取引」として規制されます。
一方、いわゆるねずみ講は「無限連鎖講」として禁止されています。
Q.商品があればねずみ講ではありませんか?
商品が存在するだけで判断することはできません。
商品・サービスの販売実態や、報酬の原資、新規参加者から集めた金銭への依存度など、実際の経済活動を確認する必要があります。
Q.2人紹介すると報酬がもらえる仕組みはねずみ講ですか?
「2人紹介する」という条件だけでは判断できません。
報酬の原資や商品販売の実態、参加者が負担する費用など、仕組み全体を見る必要があります。
Q.MLMなら合法なので安心ですか?
MLMという名称だけで安全性や合法性が保証されるわけではありません。
連鎖販売取引に該当する場合には特定商取引法上のルールがあり、勧誘方法や契約内容によって問題となる場合もあります。
Q.怪しいと感じた場合はどうすればいいですか?
その場で契約せず、
・会社名
・商品名
・契約条件
・報酬プラン
・毎月の費用
・解約条件
などを確認しましょう。
契約トラブル等については、消費者ホットライン「188」から最寄りの消費生活センター等に相談することもできます。
まとめ|違いを見るなら「商品」だけではなく「お金の流れ」を確認する
ネットワークビジネス(MLM)とねずみ講は、紹介によって参加者や組織が広がる点では似ています。
しかし法律上の扱いは異なります。
ネットワークビジネスは、一定の条件を満たす場合に「連鎖販売取引」として特定商取引法の規制対象となります。
一方、いわゆるねずみ講は「無限連鎖講」として禁止されています。
そして最も重要なのは、
「商品があるかどうか」だけで判断しないことです。
確認したいのは、
・実際に商品・サービスが販売されているか
・一般的な消費需要があるか
・報酬の原資は何か
・新規参加者の支払いに依存していないか
・どのような条件で報酬が発生するのか
・契約・解約条件は明確か
という点です。
ネットワークビジネスについて判断するときは、「ねずみ講ではないと言われたから大丈夫」と考えるのではなく、実際の事業内容とお金の流れを自分で確認することが大切です。
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■ ネットワークビジネス(MLM)とは?仕組みを初心者向けにわかりやすく解説
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※本記事はネットワークビジネスおよび関連法制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、個別の取引が合法・違法であるかを法的に判断するものではありません。具体的な契約やトラブルについては、消費生活センターや弁護士などの専門機関へご相談ください。
【主な参考情報】
・消費者庁「特定商取引法ガイド|連鎖販売取引」
・消費者庁「特定商取引法等の解説」
・「無限連鎖講の防止に関する法律」

